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カシミヤの知識
一頭から採れるカシミヤはわずか170グラム前後

カシミヤはヒツジではなく、カシミヤゴートというヤギから採れる素材です。
中国、モンゴル、イラン、ロシアといった国々が主な生産地ですが、これらの国の中でも、冬は零下40℃以下の極寒、逆に夏は40℃を越す猛暑という厳しい気候の山岳地帯でないと、あの軽くて柔らかいカシミヤの産毛は生えてこないんです。
生産地が限られているだけでなく、収穫もヒツジの毛を電気バリカンで刈るように簡単ではありません。
カシミヤゴートの毛は2種類に分かれていて、表面のゴワゴワした長い剛毛をヘアーといい、その内側にある産毛がウールと呼ばれる、セーターなどに使うカシミヤの産毛です。
産毛は硬くて長い毛の間に生えているので、熊手みたいな櫛ですきとるしかなく、かなりの手間と時間を要します。
さらに、その産毛を集めてゴミや硬いヘアーなどを取り除くと、一頭から採れる量はわずか170グラム前後
その中から上質な長くて細い繊維だけをまた選り分けます。
産毛は長さや太さを基準に等級が分けられ、一口にカシミヤといっても質や値段に大きな格差があります。
育てるの、収穫も、素材の厳選も、条件が厳しく、職人技が必要な最上級素材がカシミヤなのです。

カシミヤの暖かさの秘密

なぜカシミヤは、他のウールに比べて、とても軽くてふんわりと柔らかく、しっかりとした暖かさがあるのでしょうか。
まず、暖かさを保つには「冷たい外気が肌の熱を奪うのを防ぐこと」と「体温を逃がさないこと」が重要です、
そのために、私たちが着ている衣服の中で、実は「空気」が大きな働きをしています。
空気は風のように動くと肌をかすめて寒く感じますが、逆に動かずにこもった空気は断熱効果が高まり、暖かく感じます。
カシミヤなどのウールの繊維を拡大して見ると、1本1本の繊維はチリチリと縮れていて、この縮れた繊維が複雑に絡み合っているため、空気をたくさん抱き込むことができ、しっかりと暖かさを保つことができるんです。
その上、空気がクッションの役目をするため、弾力性があり、ふんわりと軽く感じます。
カシミヤは世の中に出回っている動物の毛の中でも最も繊維の太さが細く、そのチリチリした柔らかい繊維が空気をたくさん蓄えてくれるからとても暖かいんです。